参加者の巻き込み方

参加者の巻き込み方を考えるときには、原則は「ツーウェイ」だということを覚えておいてください。

参加者の発言のあとにインストラクターがどう返すかで場の雰囲気が違ってきます。

(1)立ち位置

まず立ち位置に注意します。

インストラクターが、ずっと前で講義をしていると、参加者との距離が遠いままになってしまいます。

基本講義、重要な講義の際には、必ず正面真ん中に戻りますが、質問をする際や、答えてもらう際には近づきましょう。

参加者が答えやすくなります。

「心理的な距離」は「物理的な距離」といいますが、近づくことによって親近感が生まれ、さらに参加者全員にアイコンタクトしながら話すと、「私に話しかけてくれているんだな」と参加者に感じさせることができ、一人ひとりを大切にしているというメッセージも伝わります。

また、参加者が眠くなるのを防ぐという副次的な効果もあります。

新入社員250人に、階段教室でビジネスマナーを教えたことがあります。

新入社員研修の時期は、桜が咲き暖かな春の日差しで、つい眠気を誘うものです。

ペアをつくり、実習を交えながら進めましたが、答えてもらうときには、必ずマイクを持って近づくようにしました。

(2)観察する

個人研究をしているときでも、グループ研究をしているときでも、会場全体に目を配り、タイミングを見て歩きましょう。

たとえば新入社員研修で「自己紹介ためのプロフィール」を書いているときや研修の最後に「今後の課題設定」をしているとき、会場を歩き、何を書いているか、おおよそ掴んでおくことが重要です。

事例研究などでは、討議のプロセスを観察し、その様子を自分の目で見て、どんな発言をしているかを聴いてみましょう。

つい話しかけたくなりますが、話しかけるのは極力控え、あたたかい表情でうなずくなどして、場をホールドする気持ちで見守りましょう。

どうしても話しかけたかったら、短く、「順調ですね」「いまの発言いいですね」と声をかけます。

その後の全体研究、全体シェアのときに、「いまの発言いいですね」の一言が、手をあげて発言することを後押しします。

このように参加者が自ら、発言、行動をしたくなるような雰囲気をつくることは大切です。

 

 

また、討議結果の発表にコメントする際、討議のプロセスなどを加えてコメントすることができます。

「タイムリミットが迫っているとき、タイムキーパーは、時間をメンバーに伝えていましたね。

仕事の基本、QCD(品質・コスト・納期)の時間管理ができていました。

全員が分担して協力していたこと、素晴らしいです」という具合です。

場ができてくると自然に発言したくなったり、何か自分ができることはないかと探し始めたりなど、研修のねらいを達成するべく助け合うような気持ちがでてきます。

クラス全員の心がひとつになったときには、どんなに広い教室でも、参加者どうし、インストラクターと参加者の一体感が生まれます。

(3)意識のエネルギーを参加者に傾ける

まだ初心者の場慣れしていないインストラクターが陥りやすいことで、気をつけてほしいことがあります。

グループ研究などのワークが始まったとたん、椅子に座って動かず、次の講義のことを考えているなど、実際その場にいても、場に意識の矢印を向けていない状態になってしまうような場合です。

 

インストラクターの心構えとして大切なことは、研修中は全エネルギーを参加者に傾けることです。

参加者のシグナルを見逃さないように、参加者の様子、状態に常に意識を向けましょう。

あなたの指示どおりに、個人研究あるいはグループ研究が進んでいるか、戸惑っている参加者、質問したいと思っている参加者はいないかと気を配ります。

 

歩いていると、講義中は気づかなかった参加者の表情の変化に気づいたり、理解度を確認できたりしますし、参加者からあなたへの質問も出やすくなります。

ただし、グループ討議中ずっと歩きまわることを推奨しているのではありません。

内容にもよりますが、そのグループ研究の中盤あたりや、終了前などに歩くのもよいでしょう。

【JMAMメールマガジン】

人材育成支援事業の情報や無料セミナーなどの情報をお届けしています。
登録された方は、資料を無料でダウンロード頂けます。

新規登録

関連記事

各社人材開発実践企業事例

  1. 日本軽金属株式会社

    アセスメント活用事例 Vol.4