インストラクターの役割

インストラクターとは、「あるべき姿とベクトルを示し、全員が課題達成できるように側面から支援する人」のことです。

インストラクションとは、自分の持っている知識、技術を効果的に学習者に理解させ、自発的な「やる気」を育てる全プロセスをいいますが、社内インストラクターは、自社の社員を対象にして、専門分野のテーマについて講義したり、実習指導したりします。

研修参加者は、私たちインストラクターが担当する研修を通して知識や技能を習得し、その知識・技術を活用・応用して仕事をしていきます。

社内インストラクターは、その研修参加者一人ひとりの仕事の幅を広げ、キャリアを拓き、可能性を追求し、組織に対する貢献度を高めていくという使命を担っています。

覚えておきたいのは、「側面から支援する」という点です。

決して、だれかに向けて一方的に教授したり、訓練したり、ということではありません。

「インストラクターだ! 頑張らねば」「私一人でクラス全員をひっぱっていかなくては」そんな気負いもわかりますが、あくまで「研修の主役は参加者」です。インストラクターは脇役に徹することと心得ましょう。

また、社内インストラクターが活躍する舞台は、おもに「集合研修」です。

本を読む、通信教育、eラーニングなど、さまざまな学び方がある中、集合研修だから実現できることとは何でしょうか? 

それは、「影響しあう」ということです。

人の学習には、体験する→気づく→行動に移すという仕組みがあります。

体験の中には必ず「人」が介在します。

インストラクターの振る舞い、関わりあいによる影響、参加者どうしの関わりあいで気づきを深めることで、その効果を倍増させることができます。

時間と場所を設定して集合研修という学習形態をとる理由はここにあります。

米国NLP協会理事長、クリスティーナ・ホール博士のセミナーで私は、「人間は影響しあわずにはいられない。

互いに影響しあう存在」ということを学びました。

心理学者カール・ユング博士も「二人の人間の出会いは化学物質の反応に似ている。

一人が変化するともう一人も変化する」と言っています。

まさに集合研修はこれの繰り返しであるといっても過言ではありません。

一瞬にして、気持ちの変化が起きることはありませんか?

何年たっても、あの一瞬だけは覚えている・・・研修でそんな体験ができたら、素晴らしいことではないでしょうか。

ファシリテーションの項で詳しく述べますが、まさにインストラクターの言動・振る舞いが場をつくり、参加者にベクトルを示し、参加者の気持ちを動かしていくのです。

ある人が「研修はときめきで始まり、感動で終わる」とおっしゃっていたのですが、そんな研修を運営することが理想です。

これらを踏まえた、インストラクターの役割は以下の通りです。

(1)会社や職場を代表して参加者に接する

どんなテーマの研修であっても、インストラクターは会社の代表・職場の代表であると自覚します。

特に新入社員研修では、参加者は入社した会社の先輩=会社の代表としてインストラクターを見ますし、インストラクターは、入社して初めて会う人、関わりを持つ人です。

(2)会社の考え方、方針を参加者に伝える

インストラクターが話すことは、会社の考え方、方針そのものです。

すべてが企業理念とつながっており、研修内容もそれに沿ったものでなければなりません。

教育の背景は、会社の考え方に基づいているということです。

参加者からの質問に即答できない場合も出てくるかもしれません。

そんなときは、このことを思い出して、ぜひ確認して答えてください。

(3)職場のニーズにマッチした教育を展開する

現場経験を活かすということで、社内インストラクターほど、職場のニーズにマッチした教育が展開できる人はいません。

あなたの社内ネットワークを活かし、アンテナを立て、研修前・研修後のリサーチをしてみましょう。

参加者たちの職場を訪問することも、研修の習得度確認と次のテーマ設定のキーになります。

(4)会社の雰囲気を参加者に伝える

インストラクターの研修での言動・振る舞いが、会社の風土・文化を肌で伝えることになります。

その場に集まった人が、その瞬間に感じ取ることですので、時代の風を察知し、そのときどきで適切な例を提示し、表現するのがインストラクターの役割でもあるといえます。

(5)自分の経験を直接参加者に伝える

インストラクターは、目的を持って研修を進めますが、そのとき、実例・具体例を示すことが必要になります。

あなたの体験・経験を、惜しみなく参加者に与えましょう。

同じ会社に働く仲間としての実体験は、その臨場感とともに共感を呼び、説得力を増すことにつながります。

あなたの言葉で、ありありと表現してみましょう。実体験ほど納得感のあるものはないということです。

(6)態度、振る舞いが参加者の手本となる

まさに、有言実行です。

インストラクターが見本・手本を示すことはいうまでもないことです。

時間厳守を謳うたうなら、自ら、時間厳守で研修を進めます。

参加者は、驚くほどインストラクターの言動を見ています。

インストラクター自身ができていないことは教えられないと肝に銘じてください。

あなたの態度、行動が参加者の態度、行動を映す鏡だということです。

(7)参加者の身近な相談相手である

研修で指導してくれた人に相談してみようと思ってもらえたら、光栄なことです。

専門家として、社内のある分野の教育をするわけですから、ぜひ身近な相談相手になってください。

このように、インストラクターの仕事は、人材育成そのものです。

つまり、会社経営の根幹ともいえる重要な仕事なのです。

インストラクターの役割

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