インストラクターの心構え

インストラクターの仕事は、人に関わる仕事です。

祝福の気持ち、感謝の気持ちを持ち、それを素直に表現できることをベースとします。

参加者を歓迎し、受け止めるために何ができるか。

常にこれを考え抜くことで、研修は必ず良い方向に向くものです。

ではインストラクターとしてどんな心構えが必要でしょうか?

(1)歓迎の姿勢を持つ

まずは「参加者を歓迎する姿勢で臨むこと」が重要です。

研修はライブですから、さまざまな予期せぬことが起こります。

あなたに驚きや戸惑いを与えることもあるかもしれませんが、それすらも歓迎してみましょう。

すべてがリソースになります。

参加者に、思いがけない気づきや学びを運んできてくれて、あなたにも学びをもたらしてくれます。

もしそれが困難なものであればあるほど、あなたと参加者の成長につながります。

もし、厳しいことが起こったら、そこに集まった人、そのときを一緒にした仲間とともに力を合わせ、知恵を出し合い、乗り越えていきましょう。

厳しいものであればあるほど、参加者とあなたに力を与えてくれることになります。

(2)教えるスキルを持つ

教える技術を知らないと、効果的な研修は行えません。

教えるための5つの方法は次のとおりです。

〈やってみせる〉

ゆっくりと区切ってやってみせる。

覚えるための正しい方向からみせる。

要点についてはジェスチャーも交える。必要に応じて繰り返す。

〈言ってきかせる〉

はっきりと聞こえるように話す。

手順と要点を区別して、区切って話す。

要点を強調する。

多くの内容を一度に話さない。

必要に応じて繰り返し話す。

聞き慣れない専門用語は、はっきり説明を加えて使う。

〈書いたものをみせる〉

内容を正確に伝えるためにみせる。

順序よく書く。

できるだけ箇条書きにする。

絵・写真図面を用いる。

濃淡・色彩でわかりやすく、魅力的に。要点をはっきりと示す。

〈やらせてみる〉

初めから正しくやらせる。

できるだけ実際の場所、方法でやらせる。

身につくまで、何回でも繰り返させる。

参加者どうし、チェックする。

〈訊きいてみる・言わせてみる〉

はい・いいえで答えられるような訊き出し方をしない。

6つの疑問(5W1H)を用いる。

真剣に聴く。

話をさえぎらない。

いろいろな角度から訊いてみる。

手順や要点を確実に言わせる。

この5つの方法は、いずれも他の方法と組み合わせることで、その効果を高めることができます。

教え方の詳細は以降の章でも紹介しますが、たとえば私は、「対(つい)になる勉強をしなさい」と教えられました。

売る→買う、話す→聴く、書く→読む、美味しい料理をつくる→食べるということです。

つまり、上手に話したいと思うなら、人の話を聴くことから学べます。

インストラクターとして、人に伝える話がしたいなら、セミナー受講、講演会などにいくことで、たくさんのヒントが得られます。

「この人の教え方、うまいな」と思った人は何ができていましたか? 

どんな話し方をしていましたか? 

参加者とどんなやりとりをしていましたか? 

何にインパクトを感じましたか? 

このように、さまざまな視点で見てみましょう。

そして、まねてみるのです。

「学ぶ」というのは、「まねる」ことから始めるともいいます。

まずはモデルになる人を探し、その方のまねをしてみましょう。

そして、教えるということで、私たちインストラクターも成長します。

教育というのは共育(ともに育つ)もいえるのです。結果的には、そうなることが多いようです。

何故ならインストラクター(教える側)は、教えるテーマについて深掘をしなければなりません。

たとえばビジネスマナーを教えるなら、自分または他の人のビジネスマナーを研究し、自分自身ができていること、できていないことを確認、そして、教え方のデザインをし、例話・ツールを準備する中、
本を100冊読み、研鑽していきます。

さらにビジネスマナーのできている人を観察し、研究します。

何ができているのだろうか? 

どうできているのだろうか?

なぜできているのだろうか? 

インタビューに行くのもよいでしょう。

深く理解し、本質をしっかりと伝えていきましょう。

(3)専門領域を持つ

これはいままでも磨いてきたことかもしれません。

研修のあるテーマを担当するときは、いままでご自身が経験された領域を深めること、または広げることを意識して選んでみましょう。

土台になるのは、いままでのあなたです。

キャリアの研修では、CAN(できること)MUST(しなければならないこと)WANT(やってみたいこと)の3つを考えていきますが、インストラクターも、どこに軸足を置くかを常に考えていくべきです。

私がインストラクターになったとき、それまで職務として経験したことがあったのは、総務部教育課での一般事務と財務担当役員、ヨーロッパ担当役員の秘書でした。

そこでまずビジネスマナーをテーマ領域に研修を広げてきました。

同じように、営業経験を活かす、また管理者としての経験、リーダーシップ、財務会計の知識、生産管理、研究開発、ワークアウトなどの経験を活かすなど、自分の専門領域を持ちましょう。

専門領域は段階的に積み重ねていくことが必要です。

もし、あなたが新入社員で、入社早々インストラクターに任命された方であれば、興味のある分野を見て、方向性を決めつつ、上司と相談しながら、磨いていきましょう。

もちろん、得意分野を磨くとともに、苦手を克服することも大切です。

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