研修参加者が持つ「3つの不安」

さて、研修参加者はどんな気持ちで会場にやってくるのでしょうか?

一般的に大きく3つの不安を持っているといわれます。

これらを取り除くことは、意欲的に研修に取り組んでもらうという点でとても大切なことです。

(1)インストラクターに対する不安感

どんな先生がくるのだろうか、厳しい先生か優しい先生だろうか、年齢は? 男性? それとも女性?

このテーマに関する知識度は? 情熱を持って指導してくれるか? など。

→はじめに自己開示、インストラクターは自己紹介をします。

特に研修に関して、会社でのポジション、それまでの経験(例:A支店で営業を10年経験しました。など)、大切にしているモットー、信念などを入れるとよいでしょう。

(2)テーマに対する不安感

ついていけるだろうか? 難しそうだな、どのレベルの研修内容か? 求められる成果は何か?またコミュニケーションの研修? 前に受講したものと同じだったらいやだ、など。

→はじめに、研修のねらい、そして研修の流れ、プログラムをアナウンスしましょう。どんな風に役立つのか、どんな学びがあるのかも簡単に紹介を入れてもよいです。

(3)参加者に関する不安感

どのレベルの人が参加者だろうか? だれが来るのか? など。

→インストラクターは、参加者名簿を事前に作成し、目を通しておきます。研修履歴・社歴なども事前に調べておくことが大切です。必要に応じて、参加者どうしの自己紹介を入れるとよいでしょう。早い段階で、場づくりをしておくことが必要です。

すぐれた研修をつくり上げるポイント

不安を解消すると同時に、研修を効果的ですぐれたものにするためにやるべきことがあります。

大切なことは、次の4つです。

(1)事前準備に全力を尽くすこと。

(2)研修中は全エネルギーを参加者に傾けること。

(3)研修終了後は検討し反省し、次に活かすこと。

(4)研修のアウトカム(得たい成果)を明確にすること。

では順番に解説していきましょう。

(1)事前準備に全力を尽くすこと

まず事前準備をしますが、テキスト、シート、レッスンプラン、場合によってはツールなど、すべて準備を整え、研修の流れを頭に入れておきましょう。

レッスンプランは目的地に向かって歩く、またはドライブする地図のようなものです。

研修が失敗するのは準備不足によることが多いのです。研修会場で、どのように振る舞い、どのように参加者を目的地へ導くのか、考えて臨みます。

チェックリストを作成して、準備に抜けもれがないようにしましょう。

できることはすべてしておきます。

初めての研修なら、あらゆる場面を想定して、発問に対しての参加者から出てくるであろう答えも考えておきましょう。

(2)研修中は全エネルギーを参加者に傾けること

私たちインストラクターの意識がどこに向かっているかで、研修の成果が全く違ったものになります。

研修中は、自分が何を話し、どう振る舞うかという準備したことはすべて手放し、意識を外に向けていきます。

内に向ける状態とは、次は何を話そうか、どう進めようか、レッスンプランと自分に矢印が向いている状態です。

そうなってしまうと、研修でもっとも重要な要素さえ見逃してしまう危険性があります。

参加者の反応や変化に注意を向けるには、五感をフルに使っていきます。

(3)研修終了後は検討し反省し、次に活かすこと

研修が終わったら、振り返りの時間をとって、できたこと、次に向け改善することを明確にします。

以前、セミナーのアンケートに「早くてさっぱりわからなかった」と書かれたことがありました。

そのセミナーは、中堅社員に必要な能力を3日間で、理解、習得していくもので、タイムテーブルも厳密に決められているものでした。

何人もの複数のインストラクターで担当しているので、私だけ、一部の能力を深くというわけにもいきません。

そこで次のセミナーでは、スピーディーに進行するということを参加者に事前にことわってから始めることにしました。

「このセミナーは、展開が早いです。中堅社員に必要なすべての能力をさまざまなワークを通じてチェックしていくものです。

セミナー終了後、ご自分でさらにひとつの能力を深く習得しようと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、この研修は早いです!(もう一度言い切りました)ついて来てくださいね」
という始め方をしたところ、一人たりとも、早くてわからないという人はいませんでした。

(4)研修のアウトカム(得たい成果)を明確にすること

研修をする場合、まず「結果を枠組む」ことから始まります。

「結果を枠組む」とは、研修の場をどんな状態にしたいか、どのような環境をつくり、どんな結果を導きだしたいかイメージするということです。

研修の目的とゴールをしっかりと把握して研修に臨みましょう。

そして、研修が終わるとき、あなたは、何を見て、何を聴きたいか、どんな気持ちで、参加者を職場に送り出したいかを描きます。

単元ごとのつながり、単元ごとのプロセスゴールも考え、その配列を決めていきます。

研修のねらいは初日のオリエンテーションで必ず話しておきます。

参加者にメモしてもらうようにお願いすることもあります。

2日目、3日目と続く研修の場合は、今日1日の目標なども伝えるとよいでしょう。

研修開始時に、トップからのメッセージや人事部長講話を入れると、より強化されます。

3つの不安

【JMAMメールマガジン】

人材育成支援事業の情報や無料セミナーなどの情報をお届けしています。
登録された方は、資料を無料でダウンロード頂けます。

新規登録

関連記事

各社人材開発実践企業事例

  1. 日本軽金属株式会社

    アセスメント活用事例 Vol.4